PIC32 情報
  PIC32 32bitマイクロコントラーラの登場
  PIC32 32bitマイクロコントラーラの特長
  MA300 PIC32 標準評価ボード
  PIC32の開発環境
 
PIC32 32bitマイクロコントラーラの登場
マイクロチップがリリースした32bitマイクロコントローラであるPIC32シリーズが、2009年に本格的に動き出しました。 携帯型端末など画像、音楽などを利用するパワフルなアプリケーションではPIC24・dsPIC33シリーズでは対応が不可能でしたが、高度な処理を実現する新しいデバイスとして登場したのがPIC32シリーズです。
PIC32 32bitマイクロコントラーラの特長
PIC32シリーズの中核であるCPUコアは独自のアーキテクチャではなく、MIPS M4K コアを採用しています。 MIPSコアの歴史は古く20年近い時を得て熟成されたデバイスといえます。 MIPSはMicroprocessor without Interlocked Pipeline Stagesの略で、MIPSコアの最大の特長は命令の高速動作を実現するためのパイプラインを中断することなく円滑に持続させるテクニックにあります。 ハーバードアーキテクチャを使用したRISCマイコンでもあり、さらに、この機能を小さな回路規模で実現していることから、大手ゲーム機器に多く採用されています。 このことからもコストを重視した組込機器に最適なコアであることが推測できます。
PIC32は最大80MHzで動作し、512Kフラッシュメモリ、32Kワークメモリ(2009/8)を搭載しています。目玉となる初めの周辺インタフェースはUSBです。 USBホスト、スレーブに自由に対応できるUSB On-The-Goを搭載して32bitパワーを充分に発揮できます。各I/OはDMA経由で駆動し、プログラム動作の背後でI/Oとの通信を可能にしています。 ユーザが新しいマイコンを初めて使用する場合、一般に多くの知識を事前に身につけなければなかなか回路すら引くことができないものです。 PIC32はこのあたりの敷居の高さを完全に取り除いた環境を持っており、バリアフリー住宅のイメージでつまずくことなく導入ができます。(ただし、これはPICユーザの話で、PIC自体初めての方には当てはまりません。)
PIC32が持つ、1番のポイントはPIC24H・33シリーズとピンコンパチブルであることで、そのままデバイスを載せ替えてもきれいに動作してくれます。回路的にはPIC24・33で設計してもPIC32に簡単に移行できます。 もう1つのポイントは様々な周辺インタフェースもPIC24・33とほとんど同じことです。そのためC18、C30で作り上げたプログラムがほぼそのまま動作します。 つまり、PIC24・33(PIC18)に親しんだユーザにとってPIC32はその延長線上にあるデバイスで、全く異なるデバイスであるという認識は全く必要ありません。
しかし、CPUコアは全く異なるため、プログラムの実行とクロックを対応づけるようなアプリにおいてはそのままの流用は難しいし、プログラムが処理をロックしてしまうような使い方は高速なデバイスでは無駄が多く、プログラム構造自体大きく変更するような、考え方の切替が必要になるといえます。 また、USBやUSBメモリなどに利用できるFAT16・32ライブラリなど多くのライブラリが無償で提供されていることも注目すべきポイントで、ライセンス料を考えるとPIC32の手軽さがさらに強く感じられるのではないでしょうか。
PIC32デバイスは3.3V電源動作、100ピンと64ピンの2種類のパッケージがあります。(2009/8)100ピンでも12mm角のサイズです。
MA300 PIC32 標準評価ボード
MALではこのPIC32を活かしたMA300 PIC32 標準評価ボードを用意しており、PIC32を短時間で導入・評価することができます。
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PIC32の開発環境
開発環境にはMPLAB-IDE、エミュレータには、MPLAB ICD3、コンパイラにはMPLAB C32 コンパイラが用意されています。
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